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「日本での経験は“RICHIE HAWTIN”という人間を成長させてくれた」WOMB25周年特別ロングインタビュー
WOMB25周年記念イベントに来日決定。Richie Hawtin × WOMB × 阿部酒造によるオリジナル日本酒「SPARK」が登場
テクノシーンでは言わずと知れた重鎮DJ・プロデューサーのRichie Hawtin(リッチー・ホウティン)が2025年4月19日(土)WOMBのオープン25周年という節目に再来日を果たす。
今回の特別公演では、Richie HawtinとWOMBのコラボレーションが実現。新潟県柏崎市の酒蔵「阿部酒造」とともに、なんと新たにオリジナルの日本酒を発売する。イベント当日はこの新たなオリジナル日本酒のテイスティングコーナーも設けられるという。まさに“特別”という冠にふさわしい一大イベントとなっている。
そんなRichie Hawtinに、日本への思い入れ、彼にとってホームとも言えるWOMB、そして新たに誕生する日本酒について、ロングインタビューを敢行した。
Richie Hawtinは1994年に初来日を果たすと、これまでに80回以上にもおよぶ来日公演を敢行。電子音楽をこよなく愛する日本のファンたちから絶大なる支持を得てきた。
来日を繰り返すうちに日本酒の魅力に取りつかれた彼は、自身のオリジナル日本酒ブランド「ENTER.Sake」を2012年に開業すると、2014年には日本酒文化を広く世界に伝えるキーマンとして、「Sake Samurai」にも任命。さらには自身の拠点でもあったベルリンで日本酒専門店「SAKE36」をオープンするなど、音楽以外の分野でも日本とRichieの交流は年々深まり続けている。
昨年11月には、初来日30周年を記念し、<RICHIE HAWTIN 30 YEARS JAPAN TOUR>と題して福岡・名古屋・札幌を周遊する来日ツアーも実施。クラバーなら誰もが知る日本の2大ベニュー・名古屋Club Mago、札幌Precious Hallと、2022年のオープンから巷の音楽好きを虜にしている福岡THEATER 010の3会場に登場し、多くのオーディエンスを魅了した。
またツアー最終日には、恵比寿BAR BLISSにて本ツアー実現に一役買ったWOMBとの招待制の交流会も開催。この交流会では、彼が日本酒を通じて交流してきた酒蔵や、日本酒文化の発展に寄与する功労者たちとともに、お酒を酌み交わしながら、礼節を尽くして応対するRichieの姿も見られた。
日本への特別な感情を抱き、何度も来日を繰り返すRichieに、今回WOMB25周年記念イベントへの出演を目前にしてインタビューを実施。昨年の来日30周年ツアーの振り返りやRichieが日本に抱く想い、公私共に親交の深いWOMBとの思い出、そしてコラボレーションとして新たに始動する日本酒プロジェクトについて、その経緯や熱意を語ってくれた。
日本がRichie Hawtinに与えた“ひらめき”
━━昨年は来日30周年を迎えられましたね。日本を代表するベニューをめぐるツアーも開催されましたが、まずは来日30周年ツアーを開催するに至った経緯を教えていただけますか?
Richie:このツアーのアイデアが生まれたのは、今思えばとても自然な流れだった。僕は普段記念日を祝ったり、過去を振り返ったりすることにあまり興味がなくて。でも昨年6月、東京でWOMBのチームと食事をしていた時に、「そういえば2024年は僕が初めて日本を訪れてからちょうど30年目になるんだ!」と気づいて、みんなと盛り上がったんだ。30年間も日本に通い続けているという事実が、自分にとってとても特別なことだと気づけた瞬間だった。そこで、「2024年の秋に、小さなツアーを企画できないかな?」とWOMBのチームに相談したんだ。
30周年という節目に行うツアーだから、初めは大きなプロジェクトにすることも考えたよ。でも、考えるうちに1994年に初めて日本に来て、ローカルでコアなクラブを訪れた時のように、もう一度そういった場所でプレイする方が面白いんじゃないかと思った。
みんなも知っているかもしれないけれど、僕は本当に日本を訪れるのが大好きなんだ。30年以上にわたって、日本は僕の心を魅了し続けてくれた。今回30年というアニバーサリーを日本で皆さんと一緒に祝いたい。そう思えたことが、日本でツアーをオーガナイズするもう一つの大きな理由になったよ。
━━昨年のツアーは1994年の初来日時と同じく、ツアーマネージャーやPAを帯同せずに臨まれたと伺いました。また日本で初めてプレイした場所でもある名古屋からスタートしていますね。まさに原点回帰とも言えるツアーでしたが、振り返ってみていかがでしたか?
Richie:今回は1994年当時の初来日した際の感覚にできるだけ近づけようと試みたんだ。普段は1人以上のスタッフが必ず同行していて、機材やテクニカルセットアップをサポートしてくれている。場合によってはサウンド、照明、ビジュアルなど、それぞれの分野を担当するメンバーが加わることもある。Plastikmanとしてライブをする時は、スタッフが最大10人ほどに増えることもあるんだ。
ただ今回は30年前にプレイしたクラブや規模を選び、何人かの日本の友人たちと一緒に旅をすることにしようと思い立った。そのおかげでとても心地の良い旅になったし、1994年当時のツアーに近い感覚を味わえたと思うよ。タイトなスケジュールだったけれど、ギグはもちろん最高だったし、美味しいお酒と日本食を食べ飲みして、新幹線に乗ってと、日本で楽しみにしていたことも思う存分満喫できて嬉しかったよ。
ツアー中は日中に各クラブを訪れ、僕がサウンドチェックをする流れになっていた。今となっては、かなりレアな経験をさせてもらえたと思うな。それに、この経験がきっかけでかつて一緒に仕事をしたプロモーターたちと再びつながる機会にもなった。Precious Hallの小川さんや名古屋のMayさんとの再会は特に嬉しかった。日本での素晴らしい出会いに本当に感謝しているよ。
ただツアー中、最初に来日した時のことをふと思い出して、当時一緒にツアーを巡った弟のマシューがいないことに気づいた。とても寂しく感じたけれど、今回のツアーを通じて、それほどまでに初来日の当時の記憶が鮮明に蘇ってきたんだ。とても充実していたように思うよ。
━━インタビューで度々、来日する毎に日本の伝統的文化の魅力を実感する、とお話しされていますね。ご自身が特に魅力だと感じる日本の伝統的文化について教えていただけますか? またこの30年で、ご自身が魅力だと感じる日本に対する印象の変化はありましたか?
Richie:いい質問だね。日本に対する認識の変化について振り返ると、その変化が僕にとってもとても意味深いものなんだと今は感じているよ。
初めて日本を訪れた当時は、携帯電話やマイコン(マイクロコンピュータ)が当たり前のように存在するハイテクな社会に魅了されていた。近未来的でハイテクが身近な生活と、目の前に広がる日本の未知の料理や飲み物。僕にとってはそのすべてがエキゾチックだった。こうした存在に想像力を掻き立てられ、心を掴まれたんだ。
それから何年もかけて、幸運にも日本文化の背景にある伝統により深く触れる機会を得ることができ、なぜこの国の社会がこうして発展してきたのか、そしてなぜ日本がこれほど美しいのか、少しずつ理解を深めていった。その過程で、僕自身の世界観に影響を与えてくれた細やかなエッセンスをいくつも発見することができたんだ。
日本の生活様式は、過去と現在、そして未来の絶妙なバランスの上に成り立っているよね。こうした生活様式は時に対立しあうこともあるだろうし、そういう理想の中で生きる忍耐力とそれを受け入れながら社会に参加する自制心は、日本独自のものだと思う。僕自身、こういう価値観に常に興味をそそられるし、いつも驚かされているよ。
日本での経験は、“RICHIE HAWTIN”という人間を本当の意味で成長させてくれた。僕のクリエイティブな活動や世界の捉え方まで深く浸透し、以前は気づかなかった細部にまで目を向けられるようになり、理解できるようになったからね。
日本文化の中で僕に最も影響を与えたテーマを一つ挙げるとすれば、それは「SABI(さび)」の概念だと思う。不完全さを受け入れるという考え方は日本の生活のあらゆる側面に深く根付いているし、電子音楽の創作にも通じるものだと思うよ。
━━2022年に日本で開催された「PRADA EXTENDS TOKYO」※の際もアジアのローカルのアーティストと共演しフックアップすることで、ローカルとのつながりの大切さを強調されていました。昨年のツアーでも地方都市を中心に周遊していますが、ローカルをフックアップしたり、フィーチャーしたりすることにはどのような意義があると考えられていますか?
※PRADAが2022年に開催したイベント。日本の文化、音楽、世界中の有名アーティストをつなぐクリエイティブなコミュニティを称える名目で実施。Richie Hawtinは本イベントのキュレーションを担当した。
Richie:世界は今や、多様な文化が交差するるつぼと化しているし、時には何がどこから来たのか分からなくなることもあるよね。このことは常に念頭に置いて活動しているよ。グローバルな視点を受け入れることはとても大切なこと。そして同時に、どんなプロジェクトにおいてもローカルな要素や人材を見つけ出し、新たな気づきとして、世界に届けることがとても重要だと考えているんだ。
僕たちは時々遠方の場所や遠く離れた他人にインスピレーションやつながりを求めてしまう一方で、目の前のことや身の回りにいる人たち、そして身近なものの存在を忘れてしまいがちだよね。身近な環境や伝統に影響を受けたコンセプトやアイデア、そして人々と、世界中のクリエイティブなコミュニティとをつなげることで、新しい発想が生まれる源泉になると信じているよ!
WOMB25周年に寄せて、Richieが抱く想い
━━今年はWOMB25周年。日本での活動を続けるRichieにとっても、WOMBはとても重要な役割を果たしているんじゃないかと思います。まずは25年にもわたり、東京のクラブシーンを支えてきたWOMBへの想いをお聞かせください。
Richie:(WOMBのオーナーである)中川さんがクラブをオープンしたのは、彼がすでに成功し、十分なキャリアを積んだ人生の中盤以降だったと聞いたことがある。東京でナイトクラブをオープンするということは、最もタフで、時間とエネルギーのかかる仕事のひとつだと思う。彼がその選択をしたのはニューヨークのクラブで、当時のナイトライフに影響を受けたことがきっかけだったそうだよ。
渋谷の中心に音楽を基盤とした安全な場所を作るというのは、どれほどの挑戦だったのか、僕には想像がつかない。ただその情熱と信念は、WOMBが今までに生み出してきたすべてのもの、そしてそのクリエイティブを共に創り上げてきたスタッフの皆さんにしっかりと受け継がれているよ。だからこそ、WOMBは日本の国内外において、ダンスミュージックカルチャーの灯台のような存在であり続けているように思うんだ。
この25年間、中川さんやWOMBのチームとともに過ごす中で、僕の日本文化への理解と愛情はますます深まっていった。そして、彼らと共有してきた数々の人生を変えるような体験にとても感謝しているし、大きな誇りを感じているよ。
━━今回WOMB25周年を記念して、オリジナルの日本酒「SPARK」を発売されますね。なぜ今回のコラボレーションは日本酒という切り口になったのでしょうか?
Richie:僕とWOMBとの関係を振り返ると、本当に長い付き合いになるね。そして、その中心にあるのは、もちろん音楽。ただ知らない人が多いとは思うけれど、WOMBは僕の人生の音楽以外の重要な場面でもサポートしてくれているんだ。
中川さんは僕を日本酒の世界へと繋いでくれた方だし、WOMBのチーム、特に初代ブッカーのYuukiやCanaとの友情は、音楽と日本酒を掛け合わせた僕のアドベンチャーの一部になっている。特にYuukiはベルリンにある僕の日本酒ショップ「Sake 36」でも協力してくれたし、彼の家族も僕の日本酒に関する夢に向けてサポートしてくれたんだ。
それに、知っているファンも多いかもしれないけれど、僕は2008年にWOMBで妻と出会い、結婚披露宴もWOMBで行ったんだ。まさに僕たちは「WOMBファミリー」と言えるし、僕にとってWOMBは本当に特別な存在だよ。
こうした形でリスペクトを持ってサポートしてくれたことを考えると、WOMBの節目となる25周年という特別なアニバーサリーを「日本らしい形」で祝うこと、つまり僕たちが長年関わってきた「音楽と日本酒」を組み合わせてコラボレーションすることはごく自然な流れだと思えた。
中川さんとも話し合っていたんだけれど、最近はお祝いの席で飲まれるお酒として、シャンパンが振る舞われることが日本でも多いよね。せっかく日本で迎える特別な25周年だからこそ、もっと僕たちらしい形で乾杯したい。そう考え、この特別な記念日に向けて、当日の夜にお披露目する限定版の日本酒を作り、日本酒を飲む楽しさや情熱を盛り上げていくというアイデアに行き着いたんだ。
━━今回のコラボでご一緒する阿部酒蔵さんについて、Richieは「日本酒づくりに新しい価値観をもたらす次世代の酒蔵だ」と実感されたこともお伺いしています。阿部酒蔵さんのどのようなところに新しさを感じられたのでしょうか?
Richie:今回のコラボレーションのアイデアを形にしていく過程で、阿部酒造さんを訪れる機会があり、阿部さんと直接お話することができた。その中で、彼の哲学や醸造スタイルに心から感銘を受けたんだ。
阿部さんは日本酒を愛する人々のサポートを積極的に行っている人でもある。彼らに醸造方法を教えたり、さらに踏み込んで自身のチームの一員として酒作りに初挑戦する機会を提供したりもしているんだ。多くの人を巻き込み、そして誰に対してもオープンでいる彼の姿勢は本当に素晴らしいと思ったし、僕たちの考えにもピッタリ合うものだった。
今回のWOMBとのコラボレーションでは、若者がいる場所とも言える音楽シーンやナイトライフでの僕や中川さんの立場を活かして、日本の若い音楽ファンたちにもっと日本酒に愛着を持ってもらいたいと思っている。阿部酒造さんのような次世代の酒蔵と協力することで、若いクラバーが共感できる味や姿勢を届けられると信じているよ。
━━「PRADA EXTENDS TOKYO」の際も若手アーティストの方と積極的に交流されている様子を拝見しましたし、普段音楽制作に使用されているDAW「Bitwig Studio」でオリジナルのスクリプトをオープンソースとして公開していることもお伺いしています。阿部さんの日本酒づくりにおけるオープンな姿勢は、Richieも音楽制作において心がけていることなのではないかと思います。
Richie:僕のオープンさは生まれつきのものかもしれないけれど、ダンスミュージック、特に「ダンスフロア」とのつながりが、この姿勢をさらに育むきっかけになったのかもしれないな。
ダンスフロアは神聖な場所であり、誰でも自由に参加し、好きな形で楽しむことを教えてくれる。その一歩先にあるのが(伝統的に言えば)DJブースで、音楽がそこで奏でられることで、踊る人たちとDJが一体となりグルーヴが生み出されていくんだ。DJは大抵ダンスフロア出身で、またダンスフロアで踊っている人が実はDJということもよくある。そして、最高のパーティーでは、DJとダンスフロアの皆さんが影響を与え合い、まるで周波数のように共鳴し、その場にいる全員が素晴らしい共有体験へと導かれていくんだ。
こうしたダンスフロアでの体験が僕のオープンな姿勢の源であり、透明性や包容力、寛容さといった価値観が自然と、そしてポジティブに生まれているんだと思うよ。
━━音楽と日本酒はRichieの人生において、欠かせない存在だと思います。音楽制作と日本酒づくりは一見かけ離れているように見えますが、この二つに共通点があるとすれば、どのような点だと言えるでしょうか?
Richie:音楽制作と日本酒づくりに共通点があるとすれば、それぞれを創造する過程で最も重要な工程が「手作業」であるということだと思う。どちらにおいても、物理的な手の感覚を活かし、周囲のものを操作するタイミングを知ることはとても大切だ。特に手や目、そして舌は非常に敏感だし、僕たちはこうした器官を通じて感覚からフィードバックを得ることで、自分が目指している方向を定めている感覚さえあるんだ。
僕のスタジオにおける音楽制作では常にこういった感覚を意識しながら、(今や僕のスタジオの中心とも言える)コンピューターと意識を接続できるよう、特別に開発されたコントローラーをいくつも使っているよ。こうしたコントローラーに触れ、ボタンを押したり、変化を加えたりすることで、音楽を創造するという繊細なアートをより直感的に体感できるようになった。
これは僕にとって非常に重要なプロセスであり、日本酒の醸造家の皆さんが手作業でお米を洗ったり浸けたりする工程を大切にすることと、驚くほどシンクロしていると感じているよ。
━━昨年の来日ツアーでは、日本でのRichieの活躍に関わってこられた方々やファンの皆さんが多数参加されました。今年WOMB25周年の際にも、きっと多くの方がダンスフロアに集まるかと思います。最後に皆さんにぜひメッセージをお願いします。
Richie:日本という存在がなければ、今の僕の人生がどうなっていたか、想像もつかないよ。どれほど大きく僕の人生や音楽に影響を与えてくれ、そして深く共感してくれたか、本当に計り知れないし、ただただ心から感謝の気持ちを伝えたい。Richie Hawtinとして、一人の人間として受け入れてくれ、一緒にたくさんの素晴らしい瞬間を共有させてくれたこと、本当に感謝しているよ。
Arigato gozaimasu!
WRTTEN BY 竹田賢治
PHOTOS BY SKINNY
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⚫︎PROFILE⚫︎
RICHIE HAWTIN
正真正銘のオリジナルな存在として、ファインアートの創造的な領域からテクノロジーの先端まで、幅広い分野で高い評価を得ているリッチー・ホーティン。
イギリス生まれカナダ育ちのリッチー・ホーティンは、レーベル Plus 8、MINUS Records、From Our Minds の主宰であり、90年代初頭の Speedy J から2010年代の Gaiser まで、多くの才能を育んできたシーンのパイオニアである。そして、彼は Plastikman としての顔も持ち、最も優れた電子音楽家であり、6枚のアルバム(と2つのコンピレーション)にわたってアバンギャルドでアンダーグラウンドな電子音楽を提唱し続けている。2010年には Plastikman 1.5としてシーンに華々しく復帰し、Skrillex や Deadmau5など、新しい EDM 世代の中で古参のヒーローとして独自の存在感を示した。
ニューヨークタイムズは彼を「エレクトロニック・ダンス界の知的勢力の一人」と呼び、 PRADA の Co-Creative Director の Raf Simons は、彼は「今日の Kraftwerk」と呼ぶ。
ホーティンはオンタリオ州ウィンザーからデトロイト経由で90年代のテクノシーンを席巻し、その姿は、髭を剃り、眼鏡をかけた真面目な究極のテクノ科学者のようであった。その後、ベルリンへ拠点を移す。同時に、ホーティンによって開拓され、MINUS の全員が熱狂した荒削りなテクノであるミニマルスタイルにも大きな関心が寄せられた。ダンスフロアに活気を与え、チープさを排除し、ダンスミュージックをパーカッシブなルーツに立ち返らせた時期である。
2012年、ホーティンはイビザの Space にて彼のビジョンを凝縮したパーティー ENTER.をローンチした。完璧にデザインされた5つのダンスフロアで、オーディエンスはダンスを楽しみ、5種類のユニークで美味しい ENTER.sake を提供する Sake Bar も完備。2012年から2015年の間、イビザで人気パーティーとしてたくさんのオーディエンスを魅了し、アムステルダム、ロンドン、日本でもイベントを開催するほど成功を収めた。
2015年、Plus 8 Records が25周年を迎えた記念として、ホーティンはこれまで使ってきた様々なレコーディング用の別名義で新曲を書き、アルバム全曲をリリースした。”From My Mind To Yours”と題されたこのアルバムは、彼にとっては久々のダンスフロア向けの作品となった。新たな作品と ENTER.プロジェクトをワールドワイドに展開する傍ら、ホーティンは2016年にプロダクトデザイナー Andy Rigby-Jones、Allen & Heath とのパートナーシップを発表し、共同開発した100%アナログミキサーである MODEL 1を発売し、シーンから絶大な指示を得ている。
2016年から2018年までの3年間、ホーティンは CLOSE と題したライブツアーを行う。Coachella から始まり、Sonar、Primavera Sound、Movement in Detroitなどの人気フェスのメインステージにて開催、またロンドンの The Roundhouse、パリの L’Olympia、シドニー Opera House のようなコンサート会場などでも行った。
2020年の秋、世界中がパンデミックの中、ホーティンとプラダのディレクターであるラフ・シモンズは、再びプロジェクトのために再会し、ミラノで行われたプラダ初のオンライン限定ファッションウィークのサウンドトラック”Sin Thetik”を制作し、壮大なコラボレーションが実現した。
阿部酒造
1804年創業。地元銘柄「越乃男山」
2015年廃業予定の蔵に6代目の阿部裕太が戻り「あべ」ブランドを展開開始。若い蔵人等と共に1.リストランテの最初から最後まで、2.常に発酵を楽しむ、3.”圧倒的に”うまいを目指す、4.常に挑戦者であれという製造方針を軸に酒を造り、2021年までに製造数量を9年で8倍まで拡大。
2021年より酒蔵とのタッチポイントを増やすべく「ノンアルコールドリンク製造販売事業」を開始。第一弾として酒蔵の伝統的な技術「米麹」作りを生かし米麹甘酒を使った「クラフトコーラシロップ」の販売開始。
また、2017年より業界の活性には新たな造り手の登場が必須と考え、若手蔵人の育成にも力を入れ始める。主な卒業生に「LINNÉ」代表 今井将也、「haccoba」代表 佐藤太亮、「LIBROM」製造責任者 穴見峻平。現在も2名の研修生が研修を行う。
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⚫︎WOMB25周年パーティーインフォメーション⚫︎
日時: 4/19(SAT) 23:00-4:30
タイトル: WOMB 25TH ANNIVERSARY PARTY
MUSIC: TECHNO
DOOR: ¥7000
早割券/EARLY BIRD: ¥5000 (100枚限定) 一般前売券/ADVANCE TICKETS: ¥6000
LINE UP: RICHIE HAWTIN, MACHÌNA
東京を代表するクラブとして世界にその名を轟かせてきた WOMB が今年25周年を迎える。
昨年末に来日30周年記念ツアーを成功に収めた、ダンスミュージック界のパイオニア RICHIE HAWTIN が、2025年4月19日(土)WOMB25周年記念パーティーに再来日する!
また、RICHIE HAWTIN がキュレーションを務めた2022年の「PRADA EXTENDS TOKYO」での共演をはじめ、世界中で RICHIE と度々共演を重ねてきた、自身の声とモジュラーシンセサイザーを用いたライブパフォーマンスで活躍する韓国人アーティスト MACHÌNA の出演も決定。
さらに、「RICHIE HAWTIN × WOMB × 新潟県柏崎市の酒蔵 阿部酒造」三者がコラボレーションした特別限定日本酒を WOMB 25周年を祝うスペシャルコンテンツとし販売する。当日はこの新たなオリジナル日本酒のテイスティングコーナーも。
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